Levis est Fortuna: cito reposcit quod dedit.

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「レウィス・エスト・フォルトゥーナ。キトー・レポスキト・クゥォド・デディト」と読みます。
levisは第3変化形容詞levis,-e(軽い、軽薄な)の女性・単数・主格です。Fortūnaにかかります。
estは不規則動詞sum,esse(である)の直説法・現在、3人称単数です。
Fortūnaは第1変化名詞fortūna,-ae f.(運命の女神)の単数・主格です。文の主語です。
前半部は「運命の女神は軽薄である」と訳せます。

後半のcitōは「すばやく、ただちに」を意味する副詞です。
reposcitはreposcō,-ere(返すよう求める)の直説法・能動態・現在、3人称単数です。
quodは関係代名詞quī,quae,quodの中性・単数・対格です。先行詞id(指示代名詞is,ea,idの中性・単数・対格)は省略されています。
deditは不規則動詞dō,dare(与える)の直説法・能動態・完了、3人称単数です。
後半は「彼女(=運命の女神)は与えた(dedit)ところの(quod)それを(<id>)返すようすぐに(citō)求める(reposcit)」となります。
前半の理由を説明していると解釈できます。

全体をまとめると、「運命の女神は軽薄である。与えたものをすぐに返すよう求めるから。」という訳になります。
プブリリウス・シュルスの言葉です(Syr.335)。

Minor Latin Poets, Volume I: Publilius Syrus. Elegies on Maecenas. Grattius. Calpurnius Siculus. Laus Pisonis. Einsiedeln Eclogues. Aetna (Loeb Classical Library)
Minor Latin Poets Aetna Calpurnius Siculus Publilius Syrus Laus Pisonis Grattius J. Wight Duff
0674993144

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この記事を書いた人

ラテン語愛好家。京都大学助手、京都工芸繊維大学助教授を経て、現在学校法人北白川学園理事長。北白川幼稚園園長。私塾「山の学校」代表。FF8その他ラテン語の訳詩、西洋古典文学の翻訳。キケロー「神々の本性について」、プラウトゥス「カシナ」、テレンティウス「兄弟」、ネポス「英雄伝」等。単著に「ローマ人の名言88」(牧野出版)、「しっかり学ぶ初級ラテン語」、「ラテン語を読む─キケロー「スキーピオーの夢」」(ベレ出版)、「お山の幼稚園で育つ」(世界思想社)。

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